[バイクを倒す]ことで[セルフステア]を理解する
前回のブログ[コーナーリングが怖い理由]で[セルフステア]について触れました。今回はその[セルフステア]について、何時でも!誰でも!簡単に!発生させられる方法で、実際の動きを理解して見たいと思います。
[セルフステア]・・・実はみんな知っている?!
[ケニー佐川]さんの動画では、セルフステアを発生させるために[目線を曲がりたい方へ向け、上半身を倒す]と補足説明されていました。この説明は具体的な動作の一例としては確かにそうなのですが、バイクを主役に考えて見ると一体何が発生いているのか、これを理解できるとコーナーリングについてより深く理解できるのではないかと考えました。
前回のブログで[セルフステア]について「全然知らなかった」と書きました。確かに[セルフステア]という言葉は知らなかったのですが、よくよく考えたら日頃[セルフステア]とお友達になっていたことを思い出しました。
ロードバイクに乗っている人は誰しもやっていることかと思いますが、「バイクを押して歩く際、サドルに手を添えてバイクを押す」・・・、この動作の中で知らず知らずセルフステアで舵を切っていたりしませんか?自分はいつもやってましたw
バイクを倒して(バンクさせて)セルフステアを発生させてみる
といことで、実際に、何時でも誰でも簡単に試すことが出来る方法で[セルフステアを体感して見ましょう。
写真だと分かりにくいかも知れませんが、1枚目の写真ではサドルに手を置きまっすぐ後ろからバイクを押し歩いています。この際、バイクは対象ふらつくかも知れませんが、[まっすぐ押し歩く]というつもりで力を加えていますので、バイクはまっすぐ進みます。
2枚目の写真ではほんのちょっとだけ右側に力を添えて見たところです。左右バランスの均衡を破るのに本当に少しの力しか使っていないのですが、ハンドルが「すっ」と右に傾き、バイクは旋回を始めます。
同じように3枚目は左側へ少しの力を入れたところ。同じように左旋回を開始しますし、この傾きを維持する限り、ずっと旋回を続けます。
確かに!自分も普段これやっています。言われてみれば納得、これはセルフステアそのものですね。
自分もいつもやっていたけど、[それはそれ/これはこれ]みたいな感じで、コーナーリングの時に意識していませんでした。
バイクが旋回する理由
二輪車は[車体が傾くとその傾きに合わせて前輪が切れ旋回する]という特性を持っています。力学をお伝えするブログではないので詳細な説明は割愛しますが、左旋回をイメージしてもらうと、、、
車体が傾く⇁
車体の回転軸は左に回る⇁
車体前方に接続しているフロントフォークへ車体の回転が伝わる⇁
フロントフォークも左側へ捻じれる
という一連の動きによりホイール(タイヤ)がゴロンと横を向き、旋回が始まります。また、バイクは[キャンバースラスト(タイヤのキャンバー角によって発生する横力)]を利用して遠心力を味方に付けながらコーナーリングをする乗り物のため、タイヤの断面図が楕円形になっているのです。この辺の詳しい解説が目的ではないので、詳しく説明されているブリジストンタイヤの二輪車用タイヤのwebページをご紹介しておきます。
普段あんまり意識しないことですが、改めて仕組みや特性を理解するとなんだかうまく走れるような気がしてきました。
自転車は子供の頃から乗れるし、ロードレーサーやシクロクロスのようなスポーツ車も、基本的にはママチャリやシティサイクルの延長線上で乗れてしまうので、あまりこの辺の仕組みや特性を理解する機会が少ないのかも知れませんね。
いろいろ二輪車の特性を持ち出して説明してしましたが、少々乱暴ですが超簡単にまとめると、
・バイクが曲がるのは車体が傾くから
・バイクを曲げるには傾ければ良い
ということになりますので、コーナーリングの恐怖心を克服し、楽しく安全にコーナーリングを処理するためには、[バイクの傾きをコントロールする]ことが近道なのではないかと思います。
ちなみに、バイクを傾けないでハンドルを切るとどうなるでしょうか?
上の写真では、バイクは倒さずいきなり右にハンドルを切った場合です。先にホイールが右に切れてフロントフォークが右回転しますが、バイクは右側にバンクせず左側へ倒れてしまいます。極端な例ですが、自分が感じていたコーナーリングが怖い時の状態、ハンドルが平行に横滑りする感覚とバイクが起きあがってしまう感覚が、この動きで理解できました。
オートバイとの違い・ロードレーサとの違い
一方で、モーターサイクルと自転車の違いや、ロードバイクとシクロクロスの違いは少し考えなければいけないポイントかと思います。とても乱暴にざっくりとリストアップするとすれば・・・・
さすがにざっくりしすぎでは?
まあその通りなんですけど、網羅する美学はこの際無しで、このあたりかなと。
自転車の場合は[ペダリングをしなければならない]ことと、[遠心力が働きにくい]こと。ロードバイクのタイヤは空気圧パンパンなので、オートバイのタイヤと同じようにキャンバー角を利用した[キャンバースラスト]をベースに考えて良いと考えていますが、シクロクロスの場合は、タイヤの空気圧が低圧なので、必ずしも[タイヤショルダーのみを使って路面をグリップする訳ではない]という点を考慮しなければならないと思っています。
この辺は、今後のブログの中で少しずつ触れていく予定です。
・セルフステアを発生させるためにはバイクを倒す
・バイクの傾きを自在に操ることができればコーナーリングが進化する
・オートバイやロードとの違いは意識しなければならない
最後までご覧頂きありがとうございました。